暫くインテリアというより建築に近いトピックが続いていますが、今回も今来ている台風にちなんで、ちょっと建築的な見地からのお話を書いてみたいと思います。

建築基準法に壁量計算というものが書いてあります。これは、横からかかる、地震の時に発生する水平力（地震力）そして台風時に発生する水平力（風圧力）に対し、建物が耐えられるように建物の床面積と外壁の見付面積(風を受ける建物の面積)の大きさに応じて耐力壁(建築物において地震や風など水平荷重(横からの力)に抵抗する能力をもつ壁)の面積がなくてはいけない、というものです。

簡単に言うと、建築物を建てる時の"最低限"の基準である建築基準法の中で決めてある、台風等の強風や地震などの横揺れに対して、これだけの面積はなくてはいけない、という計算方法で導き出される壁の量の事です。この壁というのは、耐力壁と上に書いたように、力に耐える事が出来る壁である事が必要なので、一般的には窓や扉のある上下の壁は計算に含まれません。なぜかというと、開口部と呼ばれる窓や扉は強度が足りないからです(一部特許等を取った工法で、窓のある壁を耐力壁と考慮出来るものもありますが、それはまた別の機会に書きます)

想像するだけでもわかるかと思いますが、上から正方形に見える家が、どちらの方向から力が加わってもうまく力を流せて強いです(窓の大きさが均一という前提です)

そして、上から見て凸凹が無い家の方が、風の力を流すのに適している為、やはり強いのです。

最近は関東でも台風が強いままやってくるという事が多くなってきましたね。もし家を建てたり、建売を選んだりという機会がある時は、見た目のお洒落さもですが、いざという時の丈夫さも考えて選んで戴ければと思います。