隣地と接して法律で決まった距離ギリギリに建てる家が多いという事もあり、都会の狭小地は特に庇が無い家が多くなって久しいのですが、庇やすだれを使って上手に日光を取り入れるという知恵が、今また見直されてきています。

直射日光は、季節によって入り方が違います。夏は南中高度(太陽の地面に対する角度)が高く、太陽光が上から差すので、お昼は部屋の中までは入りませんが、冬は南中高度が低い為、斜めから太陽光が差すのでお部屋の奥まで日が差すのです。 その調節をするのが、庇なのです。

太陽光線には紫外線が含まれており、発がん性の問題やカーテンや家具、カーペット等の日焼けの問題もありますが、それでも明るさは掛け替えのないものです。(この辺りは、以前書いた環境光の事などを読んで戴ければ幸いです)

以前書いたように、環境光で十分な明るさを取り入れる事が出来れば、向きはそこまでは関係ない、とも言えるのですが、問題は寒暖です。

最初に書いたように、直射日光は季節によって入り方が違うのですが、一日でも太陽の高さは違います。朝と夕方は低く、昼は高いのです。

朝の東から昇る朝日は、夜の気温が下がったところに入るので、明るさも嬉しく、室内温度への影響はそこまでありません。

それに反し、西に沈む夕日の影響は、室内温度に多大な影響を与えます。

少しでも明るさや暖かさの欲しい冬だとしても、西日の眩しさは大変ですし、夏などは日中の暑さにも増して、その積算もありジリジリとした暑さを感じるものです。

西には窓を作るな、と言われる事があるのはその為かと思います。以前見たTV番組の「ビフォア・アフター」でも、西にあった窓を潰して暑さを避ける、というリフォームが行われていた事もありました。

少し長くなったので、続きは次回書きます。