買主の前回まで、マンションを買う事になったという事で、内覧会の同行をお願いするようになった経緯を書きましたが、今日はその締めくくりのお話を書きたいと思います。

紹介されたその方は、マンションの選び方の本も書いていらっしゃる業界でとても有名な方で、一級建築士やマンション管理士の資格を持ち、建築設計監理業務を長年なさっていた方ですが、今はその知識を活かして良いマンションを選ぶお手伝いをして下さっています。

その方に同行の依頼を申し込んだのが、マンションの申し込みの直後で、竣工まで1年以上先という時期でした。

その方とやり取りをさせて戴く中で、マンションの内覧会で色々調べるよりも、建つ途中で調べる方がずっと大事(結局、建造物は全てそうですが、その造りの頑丈さ、良さは建築途中の工事で決まります)という事で、だから内覧会で見るより建設途中で見せて貰う方が断然良い、という事を教えて戴きました。

そこで、販売代理店の方(上の方まで出ていらっしゃいました)の猛反対を押し切り、売主である建設会社の担当の方に連絡をつけて戴き、と色々なやり取りを続け、一生懸命お願いしていた結果、私達が買う部屋の壁を貼る前の状態で見せて戴けるというお話になりました。

本来、こっそりとか自分だけ、というのは後ろ暗くて気が向かないものですが、お見せしますが一組だけ見せたとなると他の方から言われるから決して他言しないで下さい、と向こうから何度も念を押されてしまいました。ところが、直前になってやはり見せられない、と言われてしまったのです。本当に青天の霹靂でした。

交渉する際にも散々言われた事ですが、工事中で危険だから、そこで事故があったらどうしようもない(入居前に事故があっては、他の契約者から契約を破棄される)という理由でしたが、工事の休みの日曜に、建築系のコースである程度高い足場にも登って作業をしてきたので、作業服や靴で伺いますし、無理な事もしないし大丈夫です。念書も入れます、と申し上げてきての当初のGoサインだったので、直前でのどんでん返しでした。

思うに、その方とのやり取りを販売会社さんに伝える中(売主の担当者の方とは電話のみのやり取りで、詳細な事を伝える時は、販売代理店の担当の方とのメールを使ってお伝えしてました)で、私が同行をお願いしている方の事を勘付かれたのではないかと思います。(その方は、買主の立場で対応下さり、売主に本当に厳しい立場を取っていらっしゃいます)

余りの突然さに、何度も改めて食い下がったのですが、ずっとお話していた担当の方は、ご自分の職務レベルで出来る事は全てして戴いたのはそれまでのお話の中で分かっていたので、交渉を諦め、最後に「工事途中で見せて欲しいという声がもっと多くの方から寄せられるようになったら、見せて戴けるのでしょうか?」とお聞きしたところ「そういうお声が多くなれば、会社も考えるようになると思います」とのお返事を戴き、今がまだその時代に至っていないのだと改めて思いました。

でも、昔考えられなかった事が、時代の流れてどんどん変わってきている例は幾つもあります。何千万円という金額、殆どはローンを何十年も払い続けるという一番大きな買い物であるマンションを、本当に納得した上で購入するには、壁等を貼る前に構造を見るしかない、という事を皆が知り、声を挙げていくしか現状を変える事は出来ないのだ、と思います。

私の声は、一つの意見でしか無いのですが、それでも今後の流れを変えていく為の一筋にでもなれば、こんなに嬉しい事は無い、と思っています。

今年は起業の年でもあり、とても感慨深い年でしたが、皆さまのこの一年は如何だったでしょうか?

来る2015年が、より良い年になりますよう心より祈念しております。

この一年、お読み戴きどうもありがとうございました。来年もまたどうぞ宜しくお願い致します。

良いお年をお迎え下さい。