私は子供の頃沢山見過ぎたせいか、独身時代はテレビを持たない生活をしていました。
でも結婚した相手がとてもテレビが好きな人で、ビデオに撮ってお気に入りの番組を観るので私も一緒になって観る事が増えました。
そんな家人のお気に入りの番組の一つで、ある家具メーカーさんが紹介されていました。

木を薄くスライスして積層にし、成型する事でとても美しく上部な家具が出来るのですが、日本でも有数の家具メーカーさんの一つがその成型した木で家具を作っているという事でした。

そのメーカーさんが杉を使ってその積層の素材の家具を作るというのが番組のハイライトだったのですが、とても軽く、木目が真っ直ぐで美しい杉は、温かみのある質感を持ち日本国内で安定供給可能という特質を備えているものの、柔らかく傷つきやすいという事で今迄家具に使われる事は殆どありませんでした。
積層にするにも、元が柔らか過ぎる為、一般的には杉は家具向きではない、とされていました。

杉の家具というと屋久杉がありますが、屋久杉は私オフィスKの実家がある鹿児島県の、本土よりも南にある屋久島に生息している杉のなかでも、数百年以上の年月を経たものだけを屋久杉と呼ぶそうです。
その南の島で育つ屋久杉ですが、実は宮之浦岳という屋久島の真ん中にそびえる高い山に育つ為、とても自然環境が厳しく1年に育つ年輪の幅がとても狭く、通常の杉よりも緻密で硬い為家具として使われる事になったのです。

とは言え、数百年以上経ったものでないと屋久杉と呼べないようにその数がとても限られており、乱伐されて植生が失われる事が危惧され、今は島からの輸出が禁止されており、今作られるものは既に伐採されたものから作られるものだけと聞きます。

さて、一般の杉が柔らかすぎて上述したような折角の特性を持っていても家具には使われないという事があったのが、その杉を圧縮する事で人工的ではありますが屋久杉のように年輪の幅が狭まりしっかりと強くなる事に加え積層する事で強度を更に増し、杉を使った家具が作られるようになったのだそうです。
このブログに載せているお写真も、そのメーカーさんからお借りしております。

以前もブログに書きましたが椅子は軽いのがお勧めという事があり、積層しつつも軽ろみのある杉で作った椅子は、きっと使いやすいものだろうと番組を観ながら思った事でした。

ちょっとしたことで、暮らしは楽しく、過ごしやすくなります。

厚木の暮らしをより良くするオフィスK。"暮らしを・ちょっと・気分よく"したいなと思った時、思い出して戴けますと幸甚です。