2020.08.07ブログ
室内窓ノススメ
Nautilus Architects LLC - 廊下の写真はこちら - Houzz
梅雨が明けたと思ったら案の定というか猛暑がやって来ました。
ウィルスだけでなく、暑さに負けないように日々過ごしていかなくてはですね。
さて、今日は空気の入れ替えというよりアクセントとして、そして隣の部屋の明るさを取り入れるアイデアの一つとして室内窓がある、というお話を書いていきたいと思います。
まず、窓の機能について改めて考えてみましょう。
建築基準法(建物を建てる時の最低限の基準を定めたもので、これに則って建てる事が必要であり、法律が変わって新しい法律に適用しない場合は基準不適格と呼ばれる状態になりますが、建て替える迄はそのままにしていても基本的に違反ではありません)では床の面積の1/7の大きさ以上の窓がなければ居室(建築基準法では居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室と定義されていますが、リビングや寝室等長い時間を人が過ごす部屋の事を言います)と認められないのですが、その大きさを確保する理由として、太陽の光を取り入れる「採光」、風を通して空気を入れ替える「通風/換気」、圧迫感を無くす「開放性」、外の景色を見る「眺望」を確保する事が人が生活をする為に必要不可欠と考えられる為かと思います。
窓の必要性と言って思い出すのが、私が昔ヨーロッパのあちこちを貧乏旅行で周った時に、ヴラド侯というドラキュラ伝説のモデルになった、現在のルーマニアの一部であるワラキア公国の君主だった方のお城に観光に行った事があるのですが、そのお城は石造りの堅牢なものですけれど、その為もあり開口部を大きく取る事が出来ず、本当に小さい空気の入れ替えがどうにか出来て外を覗ける位のものしか窓がありませんでした。
季節は夏だったのですが、ドラキュラ侯の伝説も相俟って、何だか底冷えがしそうな感じで、お姫様になれたとしても、こんなお城には住みたくない、と失礼ながら思ったものでした。
オフィスでは会議室等に窓の無い部屋があったりもしますが、その部屋はやはり人気が無い事が多いようです。長くいると圧迫感があり、会議等でそんなに長い時間いないとしても好まれないのでしょう。
さて、思いつくまま書いて来ましたが、色々考えても窓というのは部屋にとって欠かせないものだと改めて思います。そして、外に向かっての窓だけでなく、部屋と他の部屋を繋ぐものとしても窓があっても良く、そしてその窓がある事で解放感や隣室の明るさを取り込む、逆にその部屋の明るさを隣の部屋や廊下に届ける、という効果が生まれます。
外に向かっての窓と異なり、気密性や耐候性(雨風に強い)を求められないのでデザインを重視したものを付ける事も出来ます。
また、扉は開き戸(ドアノブがある前後に開けるもの)は勿論ですが引き戸(障子や襖のように右左に引いて開けるもの)でも開けっ放しにしていると解放感はあるもののちょっとだらしない感じもする事がありますが、窓であれば開けてあっても自然であり、その開け方一つでまたアクセントにもなるという効能があります。
ラーメン構造のマンションのような一戸の外側だけが重さを担保するもので真ん中にある壁は移動が可能という部屋であれば、それらの部屋を区切るの壁につける窓は後からでも自由な場所につける事が出来ます。
在来軸組(伝統的な柱と梁を組み合わせた構造の建物)の一戸建てであれば筋交いの入っていない壁に付けられますが、壁式のマンションの場合は壁が耐力(上からの重さを支える)を損なう為リノベーションで途中から付ける事は出来ません。
このように、構造によってリノベーションの可能性が異なって来ますので、実際に設置する際には業者さんに相談が必要ですけれど、それでもちょっと大掛かりなリノベーションをする時には、部屋を区切る壁に窓を付ける、というのは一つのアイデアとして考えてみる価値があると思います。
ちょっとしたことで、暮らしは楽しく、過ごしやすくなります。
厚木の暮らしをより良くするオフィスK。"暮らしを・ちょっと・気分よく"したいなと思った時、思い出して戴けますと幸甚です。
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